ご挨拶
新型コロナウイルス感染症の流行によって人との接触が制限される中で、人々は他者との交流がいかに生活に欠かせないものであったかを知りました。一方で、社会との接点を失い、あるいは自ら拒み、孤立している人たちの存在が世界的にも注目されています。日本は、友人、職場の同僚、その他社会団体の人々との交流がない人の割合がOECD加盟国で最も高い『孤立大国』なのです。
社会的孤立は、心身の健康に影響を及ぼし、死亡率を上げることが知られています。複合的な課題を抱えていることが多く、多分野包括的支援が必要です。ひきこもりや不登校、自殺はこれまでも精神衛生上の重要な課題の一つとして実践と研究が積み重ねられてきました。その智慧をここにもちより、人とのつながりの中で居場所を感じ、地域で心豊かに生きていくために何ができるか、一人ひとりが我が事として考える機会にしたいと思います。こころの健康や不登校・ひきこもり・生活困窮への支援に関心のある様々な方のご参加をお待ちしております。
日本精神衛生学会第38回大会
大会長 船越明子
公立大学法人神戸市看護大学看護学部
精神看護学分野 教授
